「代理出産」営利目的には刑罰を…学術会議が最終報告書

 代理出産の是非を検討してきた日本学術会議の「生殖補助医療の在り方検討委員会」(委員長=鴨下重彦・東京大名誉教授)は7日、代理出産を「生殖補助医療法(仮称)」で禁止し、営利目的で代理出産を行った場合は依頼者を含めて刑罰の対象とすべきだとする最終報告書をまとめた。
 過去にも法制化を求める厚生労働省の報告書が出されたことがあり、学界の総意といえる今回の報告書を受けた具体化への動きが、今後の焦点となる。
 受精卵を第三者に託して出産を依頼する「代理出産」の実施については、依頼を受けた代理母や生まれた子供の身体的・精神的負担が大きいと判断し、外国で代理出産を行っている現状に歯止めをかけるため、新たな法律で禁止すべきだと決めた。
 特に、金銭の授受などが絡む営利目的で代理出産が行われた場合は、依頼者と仲介者、医師の3者を刑罰の対象とした。出産を請け負った代理母は、「妊娠・出産を負担した被害者」などの理由で対象から外した。
 一方、現時点では代理出産に関する医学的情報が不足しているため、公的機関の厳重な管理のもとで代理出産を試行することは、例外的に考慮されてよいと指摘した。産婦人科医や小児科医、法律家、心理カウンセラーなどで構成する機関が、〈1〉依頼する女性に子宮がない〈2〉代理母が他からの強制を受けていない――など、厳しい条件のもとで試行する場合に限る。試行で問題が出た場合には、その時点で全面禁止にする。
 また、海外などで実施された場合の親子関係については、代理母を法的な母とするが、依頼夫婦と養子縁組することは認める。
 この問題に関し舛添厚労相は同日、「立法府で早めに議論することが必要。各国会議員が、自分の哲学に基づいて、考えをまとめる時期にきている」と話し、法制化に向けた早期の国会での議論が必要との認識を示した。
 同検討委は、法相と厚労相の要請を受け、代理出産の是非を中心に昨年1月から計17回にわたり審議を行ってきた。

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浜崎あゆみさんに朗報 突発性難聴の治療に新手法

浜崎あゆみさんに朗報 突発性難聴の治療に新手法 京大、内耳細胞の再生促す医学部 受験 個別指導突然耳が聞こえなくなる「突発性難聴」の患者の耳にゼラチン状の薬剤を入れて内耳細胞の再生を促し、聴覚の回復を図る世界初の臨床試験を、京都大の伊藤寿一教授らが21日までに始めた。原因不明の突発性難聴に苦しむ患者は国内に約3万5000人いる。歌手の浜崎あゆみさんも突然左耳が聞こえなくなり注目された。ステロイド剤投与で治る場合もあるが、効果がない患者も多い。
 伊藤教授らは、細胞の成長を促す作用がある薬剤に着目。これをゼラチンに含ませ、中耳と内耳を隔てる薄い膜に張り付ける。音を電気信号に変える細胞が集まる内耳器官「蝸牛(かぎゅう)」に、約2週間かけて薬をしみ込ませ、弱った細胞を再生する。
医学部 受験 個別指導 臨床試験の対象はステロイド剤が効かない人。2月初旬、最初の患者の鼓膜を切開し、薬剤を内視鏡で耳の中に入れた。今後20人程度の患者に試み、うまく聴覚が回復するか確かめる。
 伊藤教授は「ステロイド治療と異なり、副作用の心配がない。耳鳴りや目まいなど、内耳にかかわると言われる症状にも応用できそうだ」と話している。


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「代替医療」軸に集客

日本の「HITOU(秘湯)」は2007年、当時の秋田県の温泉が米紙に紹介されたことをきっかけに、世界に認知された。同じように「TOUJI(湯治)」が国際語となったのも、ルーツは秋田国の取り組みに行き着く。秋田国が産声を上げて間もない20XX年。西洋医学に替わる世界中の「代替医療」の調査・分析・評価を、国は本格化させた。ポイントは病気の超早期発見と予防、再発防止、健康増進だ。医学部 受験 個別指導 ベースは手術や投薬中心の西洋医学の治療だが、温泉療法や漢方、鍼灸(しんきゅう)、マッサージ、ヨガ、果ては瞑想(めいそう)、インドの伝統療法アーユルベーダまで、世界各地で継承される療法を組み合わせた。古くて新しい「医療」のかたちだ。医学部 受験 個別指導 「国立統合医療研究センター」(統医研)が完成したのは独立の3年後。治療、研究、人材育成の拠点として国が選んだのは、古くからの湯治場として知られた玉川温泉一帯だった。医学部 受験 個別指導医療とはいえ、「受診する」という感覚なく足を運べるのが魅力だ。調理器具と食材を持ち込んでの昔ながらの湯治風景があり、気軽にヨガを体験しに来る女性もいる。長期滞在者がいる一方、日帰り族も少なくない。期間や目的に合わせた豊富なメニューが、医療という色彩を薄めている。医学部 受験 個別指導 中でも「加温療法」は、スポーツ選手の注目を集めた。感染や疲労で傷ついた細胞を修復し、体をストレスから防御してくれるタンパク質「ヒートショックプロテイン」を、温泉を熱源に生成する仕組み。大事な試合にピークを持っていく上でも有効だ。医学部 受験 個別指導 もちろん、末期がん患者も訪れる。「患者の多くは医者から医者へと渡り歩いた揚げ句、わらにもすがる思いで駆け込んだ人たち。終末期のTOUJIは生きる希望なんです」と統医研センター長。しかし進行するがんに温泉入浴は禁忌だ。がん患者には入浴を控えてもらうべきなのだが、センター長は「それでは患者の希望の芽を摘んでしまいかねない」と、指導の難しさも口にする。医学部 受験 個別指導 代替医療は、現代医学では十分に説明しきれていない領域だ。「だからこそあらゆる選択肢を排除してはならないと思う」とセンター長。対象者もまた、病に苦しむ人に限らない。リフレッシュで生活の質が向上すれば、それもTOUJIの目標とするところだ。医学部 受験 個別指導日本、中国、韓国、台湾…。高齢者中心の「TOUJIツアー」は引きも切らない。秋田県時代からの交流が縁で、米国にある世界屈指の総合医療機関「メイヨークリニック」から紹介された患者も続々来秋した。医学部 受験 個別指導 統医研の盛況ぶりは、内需を刺激した。長期滞在者向けのホテル建設は、国内各地の温泉地にも波及。交流人口の増加で観光業も潤った。温泉地には周辺の自然環境と調和した宿泊施設や物産館が立ち並び、新たな景観も生まれた。医学部 受験 個別指導 いまや「TOUJI」は「湯治」にとどまらず、「多彩な医療」と意訳される。広義にはこんな解釈もできそうだ。「代替医療を吸引力として、世界を市場に、その効果を関連産業へ波及させる新産業」と。


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薬物以外の治療法を積極的に開発

同センターは、薬以外に治療法のない患者に対してもオーダーメード型治療を試みている。50代後半のA氏は、最近肝臓ガンと診断され、抗癌治療を受けたが、絶望感に打ちひしがれている。病院では、抗がん剤を投与し、周期的に検査したがほかの治療は行っていない。「このまま死んでしまうのでは」と不安な思いに駆られるとうつ病になってしまった。 医学部 受験 個別指導
そうしているうちに、A氏は同センターを紹介された。主に瞑想プログラムを利用した。最近、A氏は心の安定を取り戻し、ガンを克服できると考え、積極的に闘病生活をしている。
医学部 受験 個別指導40代前半のリューマチ患者のB氏は、病院から薬物を処方されて服用していた。ところが、一向も症状が改善しなかった。かえって歩くことさえできなくなった。B氏も、同センターを訪れ、栄養と運動管理プログラムを利用した。
医学部 受験 個別指導その結果、関節痛が和らぎ、関節の運動範囲が広がり、次第に病状が好転の兆しをみせている。体の調子がよくなると、自信もでてきた。B氏は、これまでにも増して元気を取り戻した。

利用料はやや高め

ライフスタイルセンターで診療を受けると、健康保険が適用されない。毎週1回ずつ3ヶ月利用するのを基準に瞑想=80万ウォン、栄養=90万ウォン、運動=70万ウォンだ。施設を利用せず、訓練方法だけを教わるのにも40万〜50万ウォンがかかる。
医学部 受験 個別指導検診は、江南聖母病院の統合医学クリニックで、プログラムは病院から3km程度離れたライフスタイルセンターで行われる。患者は、病院とプログラム施設を行き来しなければならない。

これについて、金慶洙(キム・ギョンス、家庭医学科教授)ライフスタイルセンター副所長は、「来年5月江南聖母病院が、ソウル聖母病院に拡大・開院する際に病院内にセンターを作る計画」と話した。02−590−4984医学部 受験 個別指導

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京都大、iPS細胞研究センターを設置

 京都大は22日、山中伸弥・京大教授らが作製に成功した万能細胞(iPS細胞)研究の拠点となる「iPS細胞研究センター」を設置した。センター長には山中教授が就任。基礎から臨床応用までをカバーする組織で、学外の研究者間のネットワークであるコンソーシアム(研究共同体)の中核となる。日本発の研究成果をどう育て、役立てるか、国だけでなく京大の力量も問われることになる。会見した松本紘理事らによると、センターは「世界トップレベル研究拠点」として昨年選ばれている京大の「物質―細胞統合システム拠点」の中の一つ。だが、運営の権限を山中教授に任せてセンターの独自性を確保、人材の雇用や予算などについて柔軟に対応できるようにするという。国内外から選んだ教授陣らによる専任チームのほか、山中教授が所属する再生医科学研究所や医学研究科、薬学研究科など京大の研究者が兼任で参加する。
 まず、専任の山中チームと5チームほどの兼任チームで始まる。早急に京都市内に400平方メートルほどのレンタルオフィスを借りて活動を始める。
 国の支援体制の枠組みはほぼ固まっているが、京大の拠点作りは、思うように進まない面もある。会見で今後の課題として挙がったのは、専任チームの人材確保に加え、2年後をめどとした拠点施設の建設だ。
 構想では、仕切りのないスペースで、研究者らが互いに手の内を明かし、自由に議論できる場をつくる。しかし、建設には2、3年はかかる上、大学構内は手狭で適当な土地がない。「京都という土地柄、遺跡が出れば、建設が長引くことが予想される」と関係者は声をそろえる。
 さらに、センターを運営維持していく安定的な資金も課題だ。文部科学省の30億円規模の08年度予算は、臨床試験手前の研究全般に向けられている。センターの研究費などは別途、獲得していく必要がある。
 早くも山中教授のもとには、大阪大など国内外から多くの共同研究の申し出が寄せられている。こうした窓口もセンターの役割となる。
 山中教授は「息の長い研究にするために若い人が切磋琢磨(せっさたくま)できる、世界に貢献するセンターにしたい」と話した。


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東大阪の男性死亡、拒否の5施設「処置中」「満床」

テスト大阪府東大阪市で2日夜に交通事故に遭った男性が、救命救急センターから相次いで受け入れを断られ、事故から約1時間後に救命救急センターに収容された後に死亡した問題で、同府大東市消防本部は4日、搬送を要請した五つのセンター・病院に受け入れられなかった理由を明らかにした。それによると、5施設に電話で計6回連絡し、「処置中」「ベッド満床」「電話がつながらず」が2件ずつだった。阪府医療対策課は同日、なぜこのようなことが起きたのか原因を探るため、搬送に応じられなかったセンターから事情を聴き始めた。 医学部 受験 個別指導 予備校 大東市消防本部によると、事故発生から約20分後の2日午後10時42分から、救急隊は搬送先を探し始めた。最終的に受け入れた吹田市の千里救命救急センターに連絡するまでの14分間に、5施設に延べ6回電話した。最寄りのセンターは2度「別の患者の処置中で受け入れられない」と断り、二つのセンターからは「満床」を理由に断った。電話に出ず、連絡がつかないセンターも二つあった。 医学部 受験 個別指導 予備校 一方、複数のセンターが朝日新聞の取材に応じ、当時の事情を説明した。
 医学部 受験 個別指導 予備校現場から最も近い府立中河内救命救急センター(東大阪市)では当時、救急患者が運び込まれる初療室で、当直医3人が交通事故による負傷者と自宅で吐血した患者の2人を治療中だった。2人とも重篤だったという。
 年末年始は救命救急センターに患者が集中しやすいため、同センターでは一部患者を他の機関に転送して30床のうち9床を空けたが、ほぼ満床状態が続いていたという。
 同センターは「通常ならいったん受け入れた後で他の病院に送る方法もあるが、年末年始はそれが難しい」と話す。 医学部 受験 個別指導 予備校 守口市の関西医科大付属滝井病院の救命救急センターには、2日午後10時43分から計4回にわたって、消防本部からの電話が当直責任者の救急医が持つ携帯電話に入ったが、心肺停止状態の患者の処置中で、バイブレーションモードにしていた電話の振動に気づかなかったという。
 当時は当直の救急医2人で、心肺停止状態の患者の心臓マッサージにあたっていたという。当直責任者だった中谷寿男教授(救急医学)は「たとえ電話に気づいたとしても応じられない状況だった」と説明している。
 国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区)は通常通り救命救急センターの医師2人が当直として勤務。2日午後11時ごろ、処置室に置いていた受信専用の携帯電話に着信音が鳴ったが、医師が治療中でだれも出なかったという。発信元の記録がなく、大東市消防本部からの電話だったかどうかは分からないが、当時は大阪市消防局の要請で脳幹梗塞(こうそく)の女性患者を受け入れ、人工呼吸器の取り付けなどにあたっていたという。





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中学生、脳医学の最先端機器を体験(石川)

体験を通じて先端科学技術を学ぶ「サイエンスインターン」が、金沢市内の横河電機で開かれ、同社が開発を進める脳医学の最先端機器「脳磁計」を使って、同市内の中学の生徒19人が音楽を聴いたりした時の脳波の動きを調べた。 医学部 受験 個別指導 脳磁計は脳が活動する時に発生する微弱な磁気を測定して、脳の活動状況を捉える医療機器で、アルツハイマーなどの脳の病気の早期発見に役立つと期待されている。 医学部 受験 個別指導 インターンには、同市内の3つの中学の科学部の生徒が参加。同社のエンジニアが、脳磁計の仕組みを磁石などを使って説明、音を聞いた際の脳の反応を計測した。生徒らは、脳の働きを示す脳磁波が映し出されるモニターを食い入るように見入っていた。 医学部 受験 個別指導 城南中2年の荒館笙君(14)は「最先端の科学に触れることができて面白かった。自分も将来科学者になって、人に役立つ機器を開発できるようになりたい」と目を輝かせていた。



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共通試験で実力を保証

 即戦力のプロを育てるための共通試験が広がりを見せている。
 師走に入ってすぐの日曜朝。国際医療福祉大学(栃木県大田原市)薬学部の空気は張りつめていた。
 「課題を始めてください」というアナウンスが流れると、白衣姿の3年生が「き、きょうは、どうされましたか」と対面する患者役の女性に呼びかける。同じように上ずった学生の声が、ついたてで隔てた隣からも聞こえた。
 薬学部は、病院や薬局での実習を充実させ、即戦力を育てる目的で、昨年度から6年制になった。この日の試験は、実習前にプロとして必要な知識、技術や患者への応接態度などの習得状況を問う。全国の薬科大学や薬学部で設立した薬学共用試験センター(東京・渋谷区)が開発した共用試験だ。
 応接態度や調剤、注射剤の混合など六つの課題が盛り込まれた実技試験(OSCE=オスキー)と、コンピューターを使った基礎知識テスト(CBT)で構成され、双方に合格しないと臨床実習に進めない。2010年に本格実施に移すため、全国の大学が昨年から試行を重ねている。
 学生たちの様子を見守る国際医療福祉大学の武田弘志薬学部長(54)は「学生の資質を高め、その資質を保証できる試験にしなければ、6年制になった意味がない」と力を込める。 問題は評価の公正さだ。評価者によって差が出かねないため、センターではこの夏、2回にわたり、全薬科大・薬学部から教員計約80人を集めて講習会を開き、評価の統一化を図った。
 例えば応接態度では、言葉遣いの丁寧さ、声の大きさ、わかりやすさなど約20項目に限定したチェック方法が取り入れられた。最大の目標を、薬剤師として日常業務がきちんとこなせることに置き、主観や経験則に基づく評価を除きやすくする試みだ。
 評価者は学生1人に対して2人。小規模大学では評価者育成が急務となる。実際、国際医療福祉大学は、自前の教員35人では足りず、試験当日には関連病院や県薬剤師会、他大学から約50人の薬剤師、教員を評価の応援に招いた。連携は欠かせない。
 薬学より先に行われている医学や歯学の共用試験は、教育改革の起爆剤になろうとしている。
 試験作りの研究は約20年も前に始まり、02年からの試行を経て05年に本格的に実施された。年々、学生の成績は上がっている。試験を作成する医療系大学間共用試験実施評価機構の福田康一郎副理事長(65)によると、結果をもとに、カリキュラム改革や個々の教員の授業改善につなげている大学も少なくない。
 効果をさらに上げるために、機構では、試験対象の学年を、現行の4年次だけでなく2年後の卒業時まで広げたい考えだ。「社会に出ないと医療人は育たない。社会に受け入れてもらうために、我々教育現場が品質保証をしなければ」と福田さん。
 現場発の実力向上策が、静かに広がっている。(松本美奈、写真も)
 急増で定員割れ目立つ 薬学部の6年制への移行に伴い、私立薬科大や薬学部の新設が相次ぎ、薬学部の数は2004年の46から72に急増。私立大では02年入試で7780人だった入学定員が07年には1万1804人に急増した。その結果、今春には、私大薬学部の5校に1校が定員割れに陥っているとされ、将来の薬剤師の質の低下が懸念されている。  
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患者との接し方 園児と遊び習得

 医学部でコミュニケーションを学ぶ授業が広がる。
 木曜午前9時、すぎの子保育園(徳島市)に、エプロンを着けたジャージー姿の男女が集まってきた。その数49人。園児の半分ほどにもなる。すべて医学生だ。「お兄ちゃーん」と駆け寄る男児に男子学生のほおが緩む。学生たちは約2時間、ままごとやリズム遊びをしたり、一緒にクリスマスのブーツを作ったりして園児と過ごした。
 地元の徳島大学が昨年度から、医学部の1年生に始めた「ヒューマンコミュニケーション」の授業だ。コミュニケーション授業には、2004年度から、教養教育の一環で取り組んできたが、「講義や学生同士の演習だけでは効果が薄い」と悩んでいた。そんな時、鳥取大学の高塚人志准教授が、高校や医学部で実践してきた手法に出会い、実習の導入を決意した。
 それぞれが園児とパートナーを組み、週1度、10週にわたって交流する。園児になつかれずに悔し涙を流す学生もいるが、同保育園の中川千昌園長(50)は「人見知りの時期もあるから大丈夫。子供たちも学生さんも毎回表情が違ってきています」と励ます。
 「喜んでもらえることがこれほどうれしいとは思わなかった」「パートナーが心の底から信じ、すべてを受け入れてくれている」――。リポートにも学生の心の変化が綴られている。
 医療教育開発センター副センター長の寺嶋吉保准教授(53)は「今の学生は、勉強はできるが、核家族化や少子化のせいか、世代の違う人、特に高齢者や子供との会話が苦手な学生が多い。学生同士も互いに深く干渉しない傾向が強いが、実習で仲間意識もできてきた」と意義を強調する。
 こうした保育園での実習は、岐阜大学も来年度から導入を検討している。医学部 受験 予備校
 患者の気持ちに寄り添える医師を育てなければ、という問題意識は、どの大学も共通している。
 埼玉医科大学(埼玉県毛呂山町)では、医学部の「臨床入門」の1年生の授業で、昨年から年1回、東京・杉並区立和田中学校の藤原和博校長(52)を招き、現代社会の様々な課題を学ぶ「よのなか」科の授業を経験している。
 10月に行われた今年の授業には地域住民も参加、自殺志願者とそれを止める側を演じ分け、「安楽死」の是非も議論した。学生の意見の大半が否定的だったが、身近な人の死をみとった経験から「安楽死」に肯定的な年配の女性の意見を耳にして、「自分の見方は偏っていたかも」と感想をもらす学生もいた。
 「違う世代や考え方が異なる人と話す経験の重要さは、中学生も医学生も同じだ」と藤原校長。医学部 受験 予備校
 京都大学でも今年度から、医学部1年生に「医療ボランティア実習」を必修化した。夏休みや授業の合間に、車いす介助や外来の案内係、訪問看護の手伝いなどを経験する。
 先月、京大付属病院の外来案内に立った佃綾乃さん(19)は8歳で阪神大震災に遭遇。一時的に言葉が出なくなり、医師の支えで精神的ショックから立ち直った経験から医学を志した。「病院が多数の人に支えられていることは、実習がなければ実感できなかったかもしれない。初心を再確認できた」という。学生たちは、新たな経験に敏感に反応している。
 しかし、徳島大では教員から「教えることがありすぎて講義時間が足りないのに、どうしても必要な実習なのか」という声も根強くある。京大の実習責任者である平出敦教授も「入学してすぐ経験してもらいたい実習で、実習先の評価も高いが、学内での理解を広げるという点ではこれからが勝負」と打ち明ける。
 新たな挑戦は、成果を示すという課題も突きつけられている医学部 受験 予備校進むカリキュラム改革医学教育は近年、急速に改革が進んでいる。2001年、文部科学省の専門委員会が示した教育内容の指針「モデル・コア・カリキュラム」が改革のはずみになった。
 基礎医学を学んでから臨床医学に入るのではなく、両者の「統合カリキュラム」の導入が進み、知識の伝達中心から、学生の自主学習を基礎にしたグループ学習に移す大学が増えた。
 中でも重視されているのが、医師として臨床能力の基礎となる人間性やコミュニケーション能力、問題解決能力の育成だ。06年度からは、臨床実習開始前に、診察態度や基本的な技術をみる実技試験(OSCE=オスキー)が全国80の全医学部に正式導入された。OSCEとコンピューターを使用した基礎知識テスト(CBT)の両方に合格しなければ臨床実習に進めない仕組みだ。共用試験は歯学部でも実施しており、薬学部でも10年から正式に導入される。
 また、医学生の臨床実習も、見学型ではなく、実際に診療に参加する「クリニカル・クラークシップ」が主流。昨年の全国医学部長病院長会議の調査では9割の大学が導入している。
 04年からは36年ぶりに、臨床研修制度が変わった。医学の専門分野が細分化された弊害を克服するため、医師国家試験の合格後、2年間は内科や外科、小児科、産科など、基本的な診療科を回る研修を必修化することで、総合的な臨床能力を養おうとしている。  
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